13. 仮想通貨ヒョットコイン

2021年4月23日

仮想通貨

 蛸酢理事長は堅威財務担当理事の慎重な性格を十分承知しており、彼が万全の調査をした上で提案に臨んでいると想像できるのですが、それでもなおこのファンド投資に胡散臭さを感じるのです。それは一つにはフランス製というところです。アメリカ製かドイツ製といわれるなら納得するのですが、医学分野にフランス製の精密検査機器が想像できないのです。ただ中国製と言われるよりマシだがなと心の中で呟きました。そしてもう一つは仮想通貨という点です。投資ではなく投機、ギャンブルではないかと思うのです。

 もし長男の蛸酢一杯社長が自分に直接投資を頼んできたら即座に断って説教の一つでもくれてやったでしょう。しかしながら手順を踏んで理事会にかけてきたこと、堅威理事のフィルターを通していることを鑑みて無下にはできんと思うのでした。

 堅威理事も蛸酢理事長の懸念は分かり切っておりますので、ファンドと仮想通貨の説明に丸々大阪AHO銀行から担当を呼んでおりました。

「ここで本ファンドの投資に使われるヒョットコインの説明が必要でございますね。本日は丸々大阪AHO(エーエッチオー)銀行デジタル企画部金田(かねだ)チーフにお越し頂いております。」と別室に控えていた金田チーフを紹介します。

 ドアを開け会議室に入ってきたチーフはまだ20代後半らしい若々しさ溢れる細身の男でした。背丈は185センチ位の目がキレイなシュッとした顔立ちの好青年です。大手都市銀行のエリート行員というよりもいかにも今様のIT技術に詳しい広告代理店の営業マンのようで、しかも芸能人のように垢抜けています。

 ファンドのプレゼンなどはかつてダイアモンドサックスのトップアナリストだった金田にとって得意中の得意でした。そう彼はファミリーオフィス銀座のシュンこと金田俊哉です。

 出向という形で丸々大阪AHO銀行に潜入するぐらいは公益財団法人みやこ財団の影響力をすれば容易いことでした。もちろん彼にその素養があったことが功を奏しているのですが。

 シュンは会議テーブルについた理事会の一同をゆっくりと見渡して口を開きました。

「ボナパルトファンドの投資方法であるヒョットコインについて解説いたします。」

解説

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