医療法人とMS法人|開業医の純資産と営利活動・節税

2020年9月20日

開業医の純資産

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開業時

 医師が個人事業で医院開業した場合、損益上も医院維持費用が収益を上回り赤字経営であり、資産上も多額の借入金負債があり純資産額はマイナスです。

患者が定着するようになった時期

 損益上は黒字化していきます。資産上の借入金負債は減少していますがまだ純資産額はマイナスです。

経営安定期

 借入金残高が0となり純資産額がプラスに転じる段階で医療法人設立を考えることになります。

医療法人の設立

 同じ法人でも会社法人は会社法、医療法人は医療法で規定されています。病院、医師若しくは歯科医師が常時勤務する診療所又は介護老人保健施設を開設しようとする社団又は財団は、医療法の規定により、医療法人を設立することができます。つまり、社団医療法人にするか財団医療法人にするかになるのです。

 医療法人になると、その開設する病院、診療所又は介護老人保健施設の業務に支障のない限り、定款又は寄附行為の定めるところにより、次に掲げる業務(これに類するものを含む。)の全部又は一部を行うことができます。

  • 医療関係者の養成又は再教育
  • 医学又は歯学に関する研究所の設置
  • 巡回診療所、へき地診療所等の開設
  • 疾病予防のための一定の有酸素運動施設(診療所付)の設置
  • 疾病予防のための一定の温泉施設(有酸素運動施設付)の設置
  • 保健衛生に関する業務(薬局、あんま等の施術所、介護在宅サービスなど)
  • 有料老人ホームの設置

 つまり、病院や診療所以外の事業展開ができるのです。そして、医療法人には役員、社員、評議員、従業員といった構成員が存在することになります。ただし、医療法人は営利を追求できない非営利法人であることを忘れてはいけません。

 また、一定の要件を満たすとして都道府県知事の認定を受けた医療法人は社会医療法人を名乗ることができます。

MS(メディカルサービス)法人の設立

 なお、MS(メディカルサービス)法人は医療系のサービスを行う営利法人です。医療法人は営利目的で病院や診療所等を設立できませんが、MS法人を別に設立し営利事業したり、節税したりできるのです。MS法人をいかに活用するかも重要というわけです。

 ただし、医療法人の診療報酬請求がMS法人を通じて、経営者個人の利益に流用される事態は問題視されておりますので、節税の度を過ぎる方法は摘発されるリスクもあります。