核融合実験炉ITER(イーター)計画

国内の原子力発電所

日本の原子力発電所

 国内全17の原子力発電所はすべて核分裂炉を使用しています。核分裂炉では、ウラン235の原子核に中性子を当てて核を分裂させ、同時に発生する熱で発電する仕組みになっています。原子力発電所で利用するウランの内訳は、核分裂しにくいウラン238が95パーセント以上を占め、残りの数パーセントを核分裂しやすいウラン235とすることで、ゆっくりと時間をかけた核分裂にして安全性を確保するようにしています。

 商業用原子炉の型は、加圧水型炉(PWR)と沸騰水型炉(BWR)の2種類です。

 問題は、発電後に発生する放射性廃棄物(高レベル、低レベルとも)の処理・処分方法ですが、地下深く埋設処分するしかない現状です。また、危険性としては、炉心溶融して燃料が外部に流出するメルトダウンがあり、大量の放射性物質が広範囲の被害を引き起こすことです。

核融合炉

トカマク型核融合炉

 原子核を融合させてエネルギーを発生させる炉です。使われる原子は重水素と三重水素ですが、どちらも海水の中に豊富に存在します。この海水中の重水素と海水中のリチウムから作った三重水素との核融合反応(D-T反応)を炉内で起こします。

 ドーナツ状の炉内を真空にし、その中にコイルを並べて電磁波の流れを作り、一億度以上の温度にした重水素と三重水素のプラズマが高速で炉内を回って核融合反応を起こすようにします。これは太陽が核融合反応でエネルギーを発生させるのと同じなので、「地上に作る小さな太陽」と言われるのです。

 この反応によりヘリウムと中性子が発生しますが、核融合反応前よりも反応後の方が質量が小さくなり、軽くなった分がエネルギーになるのです。

 問題は低レベル放射性廃棄物が発生することですが、地下深く埋設処分するしかないのが現状です。また危険性としては核融合反応により大量の中性子が発生する放射能対策で、炉をそれに耐えうるものにしないといけないことです。

ITER(イーター)計画

ITER(イーター)のコア部分

「イーター事業の共同による実施のためのイーター国際核融合エネルギー機構の設立に関する協定」(以下、イーター協定)により、国際法上の法人格を有する国際機関であるITER機構を設立、同機構がITER計画を実施しています。

ITER計画

 平和目的の核融合エネルギーが科学技術的に成立することを実証する為に、人類初の核融合実験炉を実現しようとする超大型国際プロジェクトです。

参加極

 日本、欧州連合(EU)、ロシア、米国、韓国、中国、インドの7極です。

核融合方式

 トカマク型磁気核融合方式です。ドーナツ型の真空にした炉内に磁気の流れを発生させ、プラズマを閉じ込めて核融合反応を起こさせる方式です。出力は50万kW(キロワット)です。

建設場所

 国際熱核融合実験炉ITER(イーター)はフランス プロバンス地方サン・ポール・レ・デュランス(カダラッシュ地域)で建設されています。

運転期間

 2025年12月から20年間を予定しています。

日本の機構