不動産の5価格評価

2021年9月16日

不動産の価格

 不動産の価格には公的な評価としての価格と市場で取引されている実勢価格とがあります。特に土地は、目的に応じて5つの価格があると言われます。

1.公示価格

 国土交通省土地鑑定委員会が毎年1月1日時点の標準地における正常な価格を公示価格として3月末に発表しています。この価格は一般の土地取引価格の「指標」であり、公共事業用地取得のための基準ともなります。根拠は地価公示法第2条第1項です。

2.基準地標準価格

 都道府県知事が選択する毎年7月1日時点の基準値標準価格を9月末に発表しています。国土利用計画法による土地取引の適正かつ円滑な実施での一般の土地取引の指標となることは公示価格と同じで、公示価格の100%です。根拠は国土利用計画法施行令第9条第1項です。

3.相続税路線価

 国税庁が毎年1月1日時点の主要道路に面した1㎡当りの評価額を相続税路線価として7月上旬に発表しています。相続税や贈与税の算定基準となり、公示価格の80%程度になります。根拠は相続税法第22条です。

4.固定資産税評価額

 市町村(東京23区は東京都)が1月1日時点の固定資産税等課税のための評価額を3月末に発表しています。3年に1度評価替えが行われます。公示価格の70%程度になります。根拠は地方税法第341条第5号です。

5.実勢価格

 実勢価格は実際に売買されている取引価格です。時価です。さらに4つの価格に分類できます。売主の売希望価格、仲介する宅建業者の査定(助言)価格、市場での売出価格(媒介価格)、成約価格です。

価格査定マニュアル

 仲介する宅建業者が価格に関して売主に助言するためには、根拠が必要とされています(宅地建物取引業法第34条の2第2項)。そのために、公益財団法人不動産流通推進センターは「価格査定マニュアル」(戸建住宅用、住宅地用、マンション用の3種類)を販売しています。このマニュアルに沿って算出した価格は根拠となり得ます。

 また、「価格査定」による価格と、不動産鑑定士が不動産鑑定評価に関する法律に基づいて決定する「鑑定評価額」(具体的には不動産鑑定評価基準(総論・各論)、運用上の留意事項に則った鑑定評価業務をします)とはその目的を異にしたもので一致しません。

レインズ

 レインズ(Real Estate Infomation Network System) とは、国土交通大臣の指定した全国の4つの(公社)不動産流通機構(指定流通機構)東日本、中部、近畿、西日本が運営する不動産流通標準情報システムのことを言います。これは指定流通機構の会員である宅地建物取引業者が登録、検索、閲覧できる不動産物件情報で、売出し中の物件と成約済みの物件事例とを見ることが可能ですが、一般には公開されておりません。