FPとPBの役割と顧客層

家族への提案

FP(ファイナンシャル・プランナー)の役割と顧客層

 FP(ファイナンシャル・プランナー)は、主に個人の顧客を対象とした資産設計(ファイナンシャル・プランニング)の専門家であり、家計がマイナスにならないようにキャッシュフロー表を含んだ提案書を作成しアドバイスをします。独立系のほか、金融機関、保険会社に多くの有資格者が在籍しています。また、不動産会社と提携して住宅ローンの選択のアドバイスをしている場合もあります。

 保険会社に在籍するFPは自社の売りたい保険商品を勧めることになるでしょうし、不動産会社に在籍するFPは販売物件の住宅ローンで家計が大丈夫ですよと提案するようになりますので、完全に中立な立場で提案することは難しいのですが、FPはその中で顧客のために最善の提案をするように努めています。

 実際、駅前にある保険の乗り合い代理店(何社もの保険を取り扱っています)に在籍するFPに保険の相談をして商品を選択することは、消費者にとって便利で自分で保険商品を選ぶ時間の短縮ができ、満足度が高く需要があるのです。

PB(プライベートバンカー)の役割と顧客層

 PB(プライベートバンカー)はFPに比べて対象者が絞られ、マス(準)富裕層~超富裕層の方にサービスを提供します。それは個人及び一族の資産の形成、運用、保全、承継に至るまでを網羅し、投資政策書を作成しコンサルタントします。また、経営している法人の展開や事業承継にもアドバイスします。金融機関、証券会社のプライベートバンク部門が担当することが多いですが、独立系に所属する者もいます。

 日本のプライベートバンク業務は、スイスの伝統的なプライベートバンクとは違い、欧米の外資系金融機関のプライベートバンクサービスの進出から普及したものですが、運用(投資手数料収入)重視の経営スタイルが壁に当って外資系金融機関の撤退につながりました。その後は日本独自のPBサービスを銀行、証券会社が展開し普及を進め、外資系証券会社との提携などで業務の幅を広げています。日本のプライベートバンカーは、顧客の相談を受けてコンサルタントし、それぞれの投資目的に合う資産運用と管理を提供していくという、営業数字に追われる通常の支店営業業務ではこなせない業務を担当しています。

 したがって、日本のプライベートバンカーは金融機関が富裕層向けサービスを展開する部門の顧客担当者という位置づけになります。スイスの銀行員であるプライベートバンカーとは全く異なるものですが、日本の富裕層の特徴に合わせて進化しているといえます。

 それ故、顧客サービスの展開として、例えば後継者の教育、進学、留学等のお手伝い、結婚式の準備、家族旅行の手配に至るまでする場合もあります。独立したファミリーオフィスではよりその範囲は広く、「執事」の様に努めるのです。子息のための寄宿舎付学校の紹介をすることもあります。

FPとPBの業務範囲

 FPもPBのどちらも士業のような独占業務はありません。むしろ訴訟関係は弁護士、財務諸表なら会計士、税務相談なら税理士、権利登記なら司法書士、行政への申請業務なら行政書士、労務なら社会保険労務士、不動産の価値なら不動産鑑定士、不動産流通なら宅建士、建築法規なら建築士などの専門家との連携をつかさどるコーディネーターの役割を果たしています。各士業には独占業務がありますので、それに抵触しないように気をつけながら協力して業務をこなす幅広い人脈が必要というわけです。