未成年者の国民年金・厚生年金・ジュニアNISA・個人型確定拠出年金(iDeCo)
未成年者の厚生年金加入

20歳未満の未成年者でも、会社員や公務員などで厚生年金の被保険者になることが可能です。一方、無職や学生、自営業者などは厚生年金の被保険者になりませんし、国民年金も20歳になるまで被保険者にならないのです。
しかし、平成28年10月1日より、未成年者でパート・アルバイト等の収入がある方も一定の条件に該当すると、厚生年金に強制加入となりました。
一定の条件とは、
- 従業員501人以上の企業(特定適用事業所)に勤めていること。
- 週20時間以上働き、1年以上勤務見込みであること。
- 月額賃金 8.8万円以上であること。
- 学生でないこと。
であり、該当すれば社会保険と厚生年金に強制加入となります。そして、自動的に国民年金の第2号被保険者ともなるのです。これは以前からあるいわゆる「130万円の壁」が「106万円の壁」に引き下げられることになるわけですが、該当するのは約25万人と想定されています。
高校卒業後、フリーターで結構頑張っている方等は該当して、手取り収入が減ってしまう危険があります。もちろん、その分病気・ケガの療養時の「傷病手当」など保障は厚くなります。
未成年者の国民年金加入

国民年金(老齢基礎年金)には第1号~第3号被保険者がありますが、第1号被保険者と第3号被保険者は20歳以上が加入条件となっています。親や配偶者の扶養になっていても、未成年者は国民年金加入にならないのです。
したがって、未成年者が国民年金(第2号被保険者)に加入するには、厚生年金の被保険者になることが必要です。つまり、会社員や公務員になることです。また、平成28年10月より、一定の条件を満たすパート・アルバイト等の短時間労働者も厚生年金(及び国民年金第2号被保険者)に加入できるケースもございます。
20歳になったときの国民年金加入

未成年で国民年金に加入していなかった人が、20歳になったときの国民年金加入はこのようになります。

国民年金の第1号被保険者の加入申請
未成年者が20歳になったとき、独身の人、会社勤めでない配偶者(成年でも未成年でも)がいる既婚者の場合には国民年金の第1号被保険者の加入申請が必要となります。
この場合、20歳の誕生日の前月に日本年金機構から送付される「国民年金被保険者資格取得届」をご住所のある市区町村役場に提出して加入して下さい。
国民年金の第3号被保険者の加入申請
未成年者が20歳になったとき、会社勤めの配偶者(成年でも未成年でも)がいる既婚者の場合には配偶者の厚生年金に加入することになります。国民年金については第3号被保険者となります。
この場合、配偶者の勤務先の事業所を経由して年金事務所に「国民年金第3号被保険者資格取得届」を提出することになります。
未成年者のジュニアNISA加入

ジュニアNISAとは、未成年のための少額投資非課税制度のことをいいます。一つの金融機関を決めてジュニア NISA口座を開設し、毎年80万円まで入金して株・債券等に投資した場合に、運用益や売却益が非課税となります。これは5年間続けられ、最高400万円を非課税運用できるというわけです。加入は任意です。
残念ながらジュニアNISAの投資可能期間は2023年末までとなりました。
詳しくは、
「ジュニアNISAの概要」(金融庁) をご覧ください。
未成年者の個人型確定拠出年金(iDeCo)加入

確定拠出年金には企業型確定拠出年金と、個人型確定拠出年金の2種類があります。加入は任意です。平成29年1月から、個人型確定拠出年金 iDeCo(イデコ)に加入できる方の範囲が拡大しました。そこで、未成年者は加入できるのかをご説明します。
iDeCoとは
iDeCoとは、公的年金にプラスして給付を受けられる私的年金の1つであり、国民年金や厚生年金と組み合わせることで、より豊かな老後生活を送るための一助となるものです。公的年金制度が不安なため、自己防衛手段として加入を検討したいところです。
さて、そのiDoCoの案内のキャッチコピーが、「誰でも加入できるようになった個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)」なのですが、この文言だけでは、未成年者もすべて利用できるのかと思ってしまいます。
iDeCoに加入できる方

国民年金第1号被保険者
自営業者・成人の学生の方など。(国民年金保険料の免除などを受けている方、農業者年金の被保険者を除きます。) 拠出限度額:毎月68,000円まで。
60歳未満の厚生年金の被保険者
- 企業年金のない会社員の方は、拠出限度額:毎月23,000円まで。
- 企業型年金規約においてiDeCoに加入することを認めている企業型確定拠出年金のある会社員は、拠出限度額:毎月20,000円まで。
- 確定給付企業年金・厚生年金基金のある会社員は、拠出限度額:毎月12,000円まで。
- 国家公務員、地方公務員、私学共済の加入員(私学共済の加入員のうち、iDeCo加入を認めていない企業型確定拠出年金の加入者を除きます。)は、拠出限度額:毎月12,000円まで。
国民年金第3号被保険者
専業主婦(夫)の方など。拠出限度額:毎月23,000円まで。
拠出限度額とは、掛金のことです。毎月この限度額まで拠出してよいということです。(iDeCo個人型確定拠出年金サイトより)
国民年金は20歳以上でないと加入できませんが、厚生年金は未成年の会社員でも加入できて同時に国民年金にも加入となることは、ご説明してきましたね。それによると、未成年者がiDeCo加入するには、厚生年金の被保険者であれば良い(上記条件はあります)ことになります。
詳しくは、「iDeCo公式サイト」をご覧ください。
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