不動産の任意売却 | 自宅の売却で債務削減のメリットとデメリット

2020年10月10日

ライフプラン

 不動産業に長年携わってきた私には不動産の売買・賃貸は日常的なもので、住宅も人生の時期に応じて、独身期、新婚期、子育て期、子の巣立つ時期、老年期により、狭い器(うつわ)から広い器へそして再び狭い器へと住み替えて行けば良いと思っています。利便性の良い2LDKのマンションから環境の良い4LDKの戸建へ、再び利便性と病院の近い1~2LDKのマンションへと。

 従って、苦しければ家を手放す、また余裕が出来たら手に入れることもできると考え、現在の債務整理に専念することが大事と考えます。

不動産の任意売却とは

自宅売却中

 私達が通常、不動産分譲業者や不動産仲介会社のサイト、あるいは不動産物件情報サイトで売買物件を検索した場合に表示される物件の多くは、売主が売却代金で債務を返還し、物件に設定されている担保物権等(抵当権、根抵当権など)を抹消できるものです。

不動産分譲業者の場合

 新築マンション、新築一戸建分譲、あるいは中古物件にリフォームを施して分譲することを業とする者が売主の場合、事業資金の借入れの共同担保として抵当権等が物件に設定されているのが一般的です。この場合、債権者の金融機関とは分譲の都度、共同担保をはずすことを約束していますので、買主は売買契約をして残代金を支払ったけれど物件が手に入らないということは原則としてありませんので安心です。

一般物件の売主の場合

 中古マンションや中古一戸建の所有者である売主がその物件を売却する際、不動産仲介会社と不動産媒介契約を締結して、販売を開始します。不動産仲介会社では、その物件に抵当権等の担保権等が設定されている場合は、残債を売却代金で抹消できることを確認して販売価格を決めます。例外は、売主が買替えをするケースで、金融機関で買替ローンが組める場合には売却損をローンに組み入れることが可能ですから、その場合も一般の仲介物件として売り出します。

任意売却物件の売主の場合

 住宅ローンや事業融資などの返済を滞納し、自宅土地建物に設定された抵当権が債権者に実行されて、裁判所で競売になりそう、あるいはもう競売が開始している状態で、裁判所の手続きを経ないで、任意に不動産仲介会社と不動産媒介契約を締結して、販売を開始します。

 ただし、この場合は売却しても残債を完済できませんので、債権者の事前承諾を得ておく必要があります。売主の手元には引越費用以外は残らないのが普通です。残債は無担保の債務として残ります。

任売業者とは

価格提示

 一般の不動産仲介会社では、すでに任意売却物件として売りに出ているものの買客付けはしますが、自ら積極的に任意売却の売主と接触をしようとはしません。これは住み分けというか、任意売却専門の業者が多いです。

 特に全国に店舗展開する大手仲介会社では、売主から相談を受けて媒介契約を締結する場合以外では、接触しない傾向が高いです。なぜなら、大手仲介会社には一般の売主からの売却相談も多く、仲介手数料が変わらないのにわざわざ手間のかかる任意売却をしようとしないからです。

 任意売却においては、売主が売りたいと望んでも、債権者の同意が得られないと売却ができないのです。

任意売却の流れ

 任意売却では通常の不動産売買とは違う手続きが必要となります。依頼を受けた任意売却業者が行う売却手続きをご紹介しましょう。

任意売却手続き

不動産の任意売却のメリットとデメリット

任意売却のメリット

  • 売主は債務を大幅に減らすことができ、自己破産の場合に他に大きな財産がなければ管財事件になりません。
  • 売主は売却にかかる費用は負担しなくて良いです。売却代金から仲介手数料も支払われます。
  • 売主には引越費用は原則として認められます。(但し、見積書添付や業者に直接振込み等の条件が付く場合が多いです。)
  • 買主は市場相場より安価で築年の新しい物件でも入手できます。
  • 買主は物件の内覧をした上で購入意志を決定できます。(競売は内覧できません。)
  • 債権者は競売より早期に売却し、不良債権が確定でき、一部でも回収できます。

任意売却のデメリット

  • 売主の債務が0になったわけではないので、残債の返済計画を債権者と交渉するか自己破産しなければなりません。
  • 売主には手元に代金の一部も原則として渡されません。売却代金から当面の生活費等は受け取れないのです。
  • 買主は市場相場より安価で購入できますが、一般流通物件とは異なることを理解しなければなりません。売主は売りたくて売るわけではないことの理解が必要です。
  • 買主は、内覧の際に売主が在宅でも愛想よく応対してもらえないことの理解が必要です。
  • 買主は、内覧の際に建物の内部が通常の生活で付く以上に傷付いていたり、残置物が大量にあることの理解が必要です。
  • 買主は、残置物の撤去費用を売買代金とは別に負担しなければなりません。
  • 買主は、売主に賠償能力が(ほぼ)ないので、物件に隠れた瑕疵があっても、引継ぎ事項の記載内容に間違い等があっても責任をとってはくれません。それ故安いことを理解しなければなりません。
  • 買主は決済日に銀行で債権者が何人も同席する場合もあることを理解しなければなりません。

不動産の任意売却物件の情報の入手法

握手

任意売却専門業者より物件情報を入手する

 ネットには任意売却専門業者のサイトがあります。基本的には業者所在地の周辺地域の物件情報が入手できますが、全国どこでもという業者もありますので、希望を伝えて探してもらうことも出来ます。

一般の不動産仲介会社より物件情報を入手する

 任意売却物件はレインズに登録されている物件も多く、一般の不動産仲介会社からも情報を入手できます。任意売却専門業者は仕入れに注力し、販売は仲介会社に任せる業者も多いのです。この場合、仲介会社の営業員が任意売却の経験がないと、満足な説明が得られない場合もあります。その場合には、店長等の責任者に内容を聞かれることが良いでしょう。

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