長期平準定期保険で法人税節税と退職金準備

退職金

定期保険

 生命保険の中で保険料が割安なものの代表は「定期保険」です。これは契約時から予め定めた満期までの期間中における死亡又は高度障害の保障を目的としていますが、満期保険金はなく、途中での解約返戻金もほとんどありません。

長期平準定期保険

 長期平準定期保険は50年以上とか100年とかの長期期間も設定でき、経営者の退職金や死亡時の事業資金対策で解約返戻金を充当できる保険商品としてメリットがあります。もちろん、役員や従業員に利用も可能です。

加入の条件

 次の条件を全て満たさないといけません。

  • 保険期間満了時の被保険者の年齢が70歳を超えていること
  • 加入時年齢と「保険期間の2倍」の合計が105を超えていること

税務(仕訳)

 保険契約者を法人とし、被保険者を役員・従業員とし、死亡保険金受取人を法人として契約した場合の税務上の取り扱いは、

  1. 保険期間の前半6割相当期間については、保険料の半分を損金計上(科目:定期保険料)、残り半分を資産計上(科目:前払保険料)とします。
  2. 保険期間の後半4割相当期間については、保険料の全額を損金計上(科目:定期保険料)、前半で資産計上した前払保険料を残りの4割の期間で均等に分割して損金計上(科目:定期保険料)

 損金に計上した分は会社の売上から控除されますから、法人税の減税につながります。

 なお、保険契約者を法人とし、被保険者を役員・従業員とし、死亡保険金受取人を役員・従業員の遺族として契約した場合の税務上の取り扱いは、「給与」とします。

特徴

 この保険は満期まで生存していると満期金がありませんから、積立配当金のみとなり損をします。しかし、解約返戻金は一定しません。契約時より少しずつ増えていき、ピークの時点(ほぼ契約期間の3分の2を過ぎた頃)から減少に向かって満期時には0となります。

退職金準備

 法人は役員・従業員の定年時期に解約返戻金がピーク(ほぼ契約期間の3分の2を過ぎた頃)になるように契約期間を定めることで退職金準備と節税をすることが可能となります。

 例えば現在46歳の法人代表者が長男に事業承継し引退する予定の65歳頃に解約返戻金をピークにするには、契約期間を46歳から30年間に設定すれば、保険満了時の年齢は76歳で70歳を超えており、46+(30×2)=106>105で加入条件を満たしています。

 なお、引退して退職金として受け取る場合は被保険者である役員・従業員個人の所得税として課税されますが、退職一時金の課税はかなり優遇されますので少ない負担で済みます。しかし後継者問題でまだ引退できない場合は、短期の一時払い養老保険あたりに加入し直すことが検討できます。

 「法人が支払う長期平準定期保険等の保険料の取扱いについて」国税庁サイト