社会保障と税の一体改革

2020年11月22日

一体改革の趣旨

 少子高齢化の影響で社会保障費が急激に上昇する中で、社会保険料収入がほぼ横ばいで推移しており、税金と借金でまかなう部分が毎年増加しています。そのため「社会保障と税の一体改革」法案が提出されて平成25年12月に成立し実施されました。

財政

 そして、社会保障と税の一体改革においては、消費税率の引上げは延期(現行8%→平成31年10月から10%)されましたが、それ以外の税増収分などを財源に、社会保障を充実させます。

消費税を引き上げる理由

  • 景気や人口構成の変化に左右されにくく、税収が安定している
  • 働く世代などの特定の人に負担が集中することなく、経済活動に中立的
  • 高い財源調達力がある

 このようにして安定財源を確保することで、社会保障の充実・安定化と、将来世代への負担の先送りの軽減を同時に実現します。

改革スケジュール

 消費税引き上げにより、社会保障が 2.8兆円程度充実し、それをすべて次の社会保障の財源に充てます。

子ども・子育て 0.7兆円程度

子ども・子育て支援新制度の実施

 「子ども・子育て支援新制度」を平成27年4月より実施しています。本サイト「教育資金(子ども・子育て支援制度)」をご覧下さい。

平成29年度末までの待機児童解消をめざす

 「待機児童解消加速化プラン」により、平成29年度末までに50万人の待機児童の保育受け皿を確保することを目標にしています。

育児休業給付の充実

 男女ともに育児休業の取得を更に促進します。育児休業給付(休業開始前賃金の50%を支給)について、休業開始後6月分の給付割合の67%への引上げを平成26年4月から実施しています。育児休業の開始から6か月経過後は50%になります。

社会的養護の充実

 児童養護施設等における家庭的な養育環境を推進し、児童養護施設等の職員配置の改善( 5.5人に対して1人、4人に対して1人など)、民間児童養護施設等の職員給与の改善(+3%)をします。

医療介護 1.5兆円程度

病床の役割の分化・連携強化、在宅医療の推進

 平成26年度から実施されています。

  • 高度急性期、急性期、回復期、慢性期の医療機関の間の連携を強化する
  • 患者さんの状態に応じた適切な医療を提供し、できるだけ早く社会復帰できる体制を整備する
  • 地域の医療を支える医師等を確保する

地域包括ケアシステム構築の推進

 平成27年度から実施されています。

  • 認知症施策や医療と介護の連携を推進する
  • 介護サービスの効率化および重点化をはかりつつ、必要な介護サービスを確保する

医療・介護の保険料を所得に応じて見直し

    • 国民健康保険・後期高齢者医療の保険料の軽減対象を拡大する(約500万人対象)(平成26年4月から実施)
    • 高額療養費制度の負担額について所得に応じて見直しを行い、中低所得世帯の負担を軽減する(平成27年1月から実施)
    • 介護保険の第1号被保険者(65歳以上)の低所得者について、保険料を軽減する(平成27年4月、平成29年4月の2段階で実施)
    • 短時間労働者への厚生年金・健康保険を適用拡大する(平成28年10月から実施)
    • 難病および小児慢性特定疾病の医療費助成を公平かつ安定的な制度にし、対象となる疾病を拡大する(平成27年1月から実施)

●難病(大人)・・・56疾病から約300疾病へ
●小児慢性特定疾病(子ども)・・・514疾病から704疾病へ

年金 0.6兆円程度

  • 遺族基礎年金の支給対象を父子家庭へ拡大する(平成26年4月から実施)
  • 低所得の老齢・障害・遺族基礎年金の受給者に給付金を支給する(平成29年4月から実施)
  • 受給資格期間を25年から10年に短縮し、より多くの人を年金受給に結びつける(平成29年4月から実施)

今後実施予定


 この一体改革は消費税の引上げを社会保障の財源に充てていますので、もし平成29年4月の10%への引上げが延期された場合、社会保障の実施も先送りされる可能性が高いことに注意が必要です。
注:平成28年6月1日、消費税率の引上げが平成31年(2019年)10月まで延期することが安倍内閣総理大臣記者会見の席で発表されました。
(出典:内閣官房サイト及び政府広報オンライン「社会保障と税の一体改革」より、図・表とも)

令和2年度の社会保障の充実・安定化等について

令和2年度社会保障

(内閣官房サイトより)