未成年者への生前贈与

2021年3月27日

暦年課税贈与

 学用品の購入費や修学旅行費や学校給食費など学校等における教育に伴って必要な費用など生前の資産の移転である贈与をした場合、受け取った側(受贈者)に贈与税が課せられます。受贈者はその贈与を将来の相続の前渡しを受けたものとして、相続時に精算することを選択する(相続時精算課税制度)か、贈与を受けた年度ごとに贈与税を納めることを選択する(暦年課税贈与)かを選ばないといけません。一度選択した場合は後で変更はできません。

 暦年課税贈与を選択した場合、基礎控除として毎年110万円の贈与までは非課税扱いを受けることができます。これを利用すると、例えば10年間で1,100万円まで、20年間で2,200万円までを非課税で資産の移転をすることが可能となるのです。

教育資金贈与

教育資金贈与

 「直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税」について説明します。

制度概要

贈与期間

 平成25年4月1日から令和5年3月31日までの間

受贈者

 30歳未満の子・孫等

贈与者

 受贈者の直系尊属(父母・祖父母等)

贈与方法

  1. 信託受益権を付与する
  2. 書面による贈与により取得した金銭を銀行等に預入をする
  3. 書面による贈与により取得した金銭等で証券会社等で有価証券を購入する
    の選択

非課税限度額

 信託受益権又は金銭等の価額のうち1,500万円までの金額に相当する部分の価額については、金融機関等の営業所等を経由して教育資金非課税申告書を提出することにより贈与税が非課税

 その後、受贈者が30歳に達することなどにより、教育資金口座に係る契約が終了した場合には、非課税拠出額から教育資金支出額(学校等以外に支払う金銭については、500万円を限度とします。)を控除した残額があるときは、その残額はその契約終了時に贈与があったこととされます。

令和3年度からの制度改正

3 教育資金、結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置
(1)直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置につい
て、次の措置を講じた上、その適用期限を2年延長する。
① 信託等があった日から教育資金管理契約の終了の日までの間に贈与者が死
亡した場合(その死亡の日において、受贈者が次のいずれかに該当する場合
を除く。)には、その死亡の日までの年数にかかわらず、同日における管理
残額を、受贈者が当該贈与者から相続等により取得したものとみなす。
イ 23 歳未満である場合
ロ 学校等に在学している場合
ハ 教育訓練給付金の支給対象となる教育訓練を受講している場合
(注)上記の「管理残額」とは、非課税拠出額から教育資金支出額を控除した
残額をいう(②において同じ。)。

② 上記①により相続等により取得したものとみなされる管理残額について、
贈与者の子以外の直系卑属に相続税が課される場合には、当該管理残額に対
応する相続税額を、相続税額の2割加算の対象とする。
(注)上記①及び②の改正は、令和3年4月1日以後の信託等により取得する信
託受益権等について適用する。
③ 本措置の対象となる教育資金の範囲に、1日当たり5人以下の乳幼児を保
育する認可外保育施設のうち、都道府県知事等から一定の基準を満たす旨の
証明書の交付を受けたものに支払われる保育料等を加える。
(注)上記の改正は、令和3年4月1日以後に支払われる教育資金について適
用する。
④ 次に掲げる申告書等の書面による提出に代えて、取扱金融機関の営業所等
に対して、当該申告書等に記載すべき事項等を電磁的方法により提供するこ
とができることとする。
イ 教育資金非課税申告書
ロ 追加教育資金非課税申告書
ハ 教育資金非課税取消申告書
ニ 教育資金非課税廃止申告書
ホ 教育資金管理契約に関する異動申告書

(2)直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税措
置について、次の措置を講じた上、その適用期限を2年延長する。
① 贈与者から相続等により取得したものとみなされる管理残額について、当
該贈与者の子以外の直系卑属に相続税が課される場合には、当該管理残額に
対応する相続税額を、相続税額の2割加算の対象とする。
(注1)上記の「管理残額」とは、非課税拠出額から結婚・子育て資金支出額
を控除した残額をいう。
(注2)上記の改正は、令和3年4月1日以後の信託等により取得する信託受
益権等について適用する。
② 受贈者の年齢要件の下限を 18 歳以上(現行:20 歳以上)に引き下げる。
(注)上記の改正は、令和4年4月1日以後の信託等により取得する信託受益
権等について適用する。
③ 本措置の対象となる結婚・子育て資金の範囲に、1日当たり5人以下の乳
幼児を保育する認可外保育施設のうち、都道府県知事等から一定の基準を満
たす旨の証明書の交付を受けたものに支払われる保育料等を加える。
(注)上記の改正は、令和3年4月1日以後に支払われる結婚・子育て資金に
ついて適用する。
④ 次に掲げる申告書等の書面による提出に代えて、取扱金融機関の営業所等
に対して、当該申告書等に記載すべき事項等を電磁的方法により提供するこ
とができることとする。
イ 結婚・子育て資金非課税申告書
ロ 追加結婚・子育て資金非課税申告書
ハ 結婚・子育て資金非課税取消申告書
ニ 結婚・子育て資金非課税廃止申告書
ホ 結婚・子育て資金管理契約に関する異動申告書

「令和3年度税制改正の大綱」(令和2年12月21日閣議決定)より抜粋

対象となる教育資金

学校等に対して直接支払われる教育資金

  1. 入学金、授業料、入園料、保育料、施設設備費又は入学(園)試験の検定料など
  2. 学用品の購入費や修学旅行費や学校給食費など学校等における教育に伴って必要な費用など
    (注) 「学校等」とは、学校教育法で定められた幼稚園、小・中学校、高等学校、大学(院)、専修学校及び各種学校、一定の外国の教育施設、認定こども園又は保育所などをいいます。

学校等以外に対して直接支払われる教育資金

 教育を受けるために支払われるものとして社会通念上相当と認められるものに限ります。

役務提供又は指導を行う者(学習塾や水泳教室など)に直接支払われるもの
  1. 教育(学習塾、そろばんなど)に関する役務の提供の対価や施設の使用料など
  2. スポーツ(水泳、野球など)又は文化芸術に関する活動(ピアノ、絵画など)その他教養の向上のための活動に係る指導への対価など
  3. 1.の役務の提供又は2.の指導で使用する物品の購入に要する金銭
上記以外(物品の販売店など)に支払われるもの
  1. 学用品の購入費や修学旅行費や学校給食費など学校等における教育に伴って必要な費用などに充てるための金銭であって、学校等が必要と認めたもの
  2. 通学定期券代、留学のための渡航費などの交通費

(出典: 「直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税」(国税庁サイト))

ジュニアNISA

ジュニアNISA

 未成年者でもNISA口座の開設が可能であり「ジュニアNISA」(未成年者少額投資非課税制度)の愛称で呼ばれています。実際の上場株式の購入は平成28年4月1日より可能になりました。その制度の主要なところを説明します。

 なお、本制度は2023年12月で廃止が決定されています。

制度を利用可能な者

 日本に居住する未成年者(0歳~19歳)で、口座開設する年の1月1日に19歳ならばその年中は口座開設ができます。

口座開設可能金融機関

 証券会社、銀行、郵便局等

運用管理

 原則として、親権者等が未成年者を代理します。

払い出し制限

 3月31日時点で18歳である年の前年の12月31日までの払い出し制限があります。これに反して払い出しをされた場合、それまで非課税で受領した配当金や売買益等については払い出し時に生じたものとして課税されます。災害等やむをえない場合には、税務署の確認を受けることにより非課税での払い出しが可能です。

 この払い出し制限がジュニアNISAの魅力を削いでおり制度の廃止につながったと思われます。

非課税対象

 上場株式、ETF、REIT、株式投資信託等の譲渡益・配当等。預金は対象となりません。また、国債、社債、公社債投資信託はジュニアNISA口座を通して購入することもできず、非課税対象にもなりません。

非課税期間

 非課税管理勘定で、投資した年から最長5年間です。期間終了後、新たな非課税投資枠への移管(ロールオーバー)による継続保有が可能です。

年間投資上限額

 80万円。5年間合計で最大400万円まで非課税投資ができます。

投資可能期間

 2016年4月から2023年12月までです。

口座開設金融機関の変更

 変更できません。

成年になったら

 NISA口座を開設し、その場合年間投資上限額は120万円まで(平成27年までは年間100万円)で、非課税期間は5年間となります。

 この制度は、親・祖父母が生前に子・孫に非課税で暦年課税贈与(年間110万円まで)できる制度と合わせると非課税の資産移転と投資ができる制度なのです。まず、暦年課税贈与は毎年110万円までなら子・孫に贈与しても非課税です。これには年数制限はありません。そのうち、5年間の分は110万円のうち80万円、合計400万円をジュニアNISAで投資して非課税の配当や譲渡益を受け取れるというわけです。

(出典:「ジュニアNISAの概要」(金融庁サイト)」