日銀「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」公表

日本銀行は平成28年9月20・21日金融政策決定会合を行い、金融緩和強化のための新しい枠組みである「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を公表しました。
金融政策決定会合とは、日本銀行の最高意思決定機関である政策委員会の会合のうち、金融政策の運営に関する事項を審議・決定する会合のことであり、年8回開催され、今回は6回目になります。
これまで、日本銀行のとってきた政策は以下の通りです。

  1. マネタリーベースが、年間約80兆円に相当するペースで増加するよう金融市場調節を行う。
  2. 長期国債について、保有残高が年間約80兆円に相当するペースで増加するよう買入れを行う。ただし、イールドカーブ全体の金利低下を促す観点から、金融市場の状況に応じて柔軟に運営する。買入れの平均残存期間は7年~12年程度とする。
  3. ETFおよびJ-REITについて、保有残高が、それぞれ年間約6兆円、年間約900億円に相当するペースで増加するよう買入れを行う。
  4. 企業・金融機関の外貨資金調達環境の安定のための措置として、成長支援資金供給・米ドル特則(企業の海外展開を支援するため、最長4年の米ドル資金を金融機関経由で供給する制度)の総枠を 240 億ドル(約 2.5 兆円)にする。また、金融機関に対する米ドル資金供給オペに関し、担保となる国債を、日本銀行当座預金を見合いとして貸し付ける制度を新設する。
  5. CP等、社債等について、それぞれ約 2.2 兆円、約 3.2 兆円の残高を維持する。
  6. 日本銀行当座預金のうち政策金利残高に▲0.1%のマイナス金利を適用する。

しかしながら、2%の「物価安定の目標」が達成できていないのが、日本経済の現状です。
そのため、これまでとってきた「量的・質的金融緩和」および「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」という2つの政策枠組みを強化する形で、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を導入することを決定しました。

長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)

  • 短期金利は、継続して日本銀行当座預金のうち政策金利残高に▲0.1%のマイナス金利を適用する。
  • 長期国債は、、保有残高が年間約80兆円に相当するペースで増加するよう買入れを行う。ただし、金利操作方針を実現するよう運営する。買入対象については、引き続き幅広い銘柄とし、平均残存期間の定めは廃止する。
  • 長短金利操作を円滑に行うため、以下の新しいオペレーション手段を導入する。
    日本銀行が指定する利回りによる国債買入れ(指値オペ)
    固定金利の資金供給オペレーションを行うことができる期間を 10 年に延長(現在は1年)

資産買入れ方針

ETFおよびJ-REIT並びにCP等、社債等について、現状の政策を維持する。

オーバーシュート型コミットメント

消費者物価上昇率の実績値が安定的に2%の「物価安定の目標」を超えるまで、マネタリーベースの拡大方針「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を継続する。
詳細については、こちらをご覧ください。
「金融緩和強化のための新しい枠組み:「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」」
「目で見る金融緩和の「総括的な検証」と「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」
(日本銀行サイト、平成28年9月21日)