安倍総理公演ー総合的かつ大胆な経済対策

平成28年7月27日「一億総活躍・地方創生全国大会in九州」が開催され、安倍総理が講演されました。その中で総合的かつ大胆な経済政策をとり、「未来への投資」を盛り込み、「農政新時代」への力強い一歩を踏み出したいとの思いを述べられました。その要旨は、

農政対策

農林水産物の輸出は、3年連続で過去最高を更新し、7千億円を超えました。2020年より前に、これを1兆円に拡大してまいります。TPPの早期発効を目指し、さらには、EUとのEPAなど経済連携を積極的に進め、自由で、公正な経済圏を世界に広げていくことで、そのチャンスをもっと拡大していきたいと考えています。輸出1兆円時代、更にその先を見据えながら、農林水産物の輸出基地や輸出対応型施設を、全国に整備してまいります。生産性を向上していくため、経営規模の拡大に向けた投資も後押しします。

未来への投資

外国人観光客の数を、2020年までに、更に倍の4千万人にしたいという目標を掲げました。観光立国実現のための、いわば「21世紀型のインフラ」です。今回の経済対策では、外国人観光客4千万人時代を見据えながら、「未来への投資」を行う考えであります。クルーズ船を受け入れるインフラも必要です。
「地方創生回廊」として、東京と大阪を一時間でつなぐ夢の超特急。「リニア中央新幹線」の全線開通を、財政投融資の積極的な活用によって、最大8年間前倒しします。長崎新幹線を始め、全国の整備新幹線の建設も加速してまいります。東京、そして大阪。日本の二大都市を大きなハブとしながら、全国に広がる交通インフラに投資することで、全国津々浦々を一つの経済圏に統合していく。そのことによって、地方創生のうねりを、全国津々浦々まで広げていきたいと考えています。

一億総活躍社会

安倍内閣は、この3年間で、法人実効税率を7.03%引き下げました。赤字でも、成長のための投資を行う、中小・小規模事業者の皆さんには、今年度から、固定資産税を3年間半減する、新しい制度がスタートしました。年末に向けて、大企業、中小・小規模事業者の皆さんの「攻めの投資」を後押しする、更なる対策を検討したい、と考えています。
子育て中の人、親の介護をしている人、難病や障害のある人、一度失敗を経験した人、人生経験豊かな高齢者の皆さん、恐れを知らない若者たち。多様な人々が、多様な経験や視点を持ち寄ることで、これまでにない社会の活力が生まれると思います。その実現のための最大のチャレンジが「働き方改革」であります。「正規か非正規か」という雇用形態にかかわらない均等待遇を確保する必要があります。同一労働同一賃金を実現し、「非正規」という言葉を、この国から一掃したい。そう決意をしております。
現在、失業率は3.2%。安倍内閣以前だと、97年4月以来の低い水準になっています。その結果、雇用保険特会の積立金は、過去最高の6兆円も積み上がっています。今回の経済対策では、このアベノミクスの果実を生かして、雇用保険料を引き下げ、手取りのアップを実現したいと思います。最低賃金についても、全国平均千円という目標に向かって、今年度、3%の引上げを実現します。時給方式となって過去最高の24円を目安に引き上げる方針を、本日取りまとめました。
一億総活躍に向かって、私は三つの的を掲げました。GDP600兆円に加えて、希望出生率1.8、そして介護離職ゼロであります。仕事と介護の両立できる社会を目指し、介護の受皿を50万人分整備する目標を掲げました。今回の経済対策により、この流れを加速したいと考えています。子育てと仕事の両立も重要です。安倍内閣では、政権交代前の2倍のペースで、保育の受皿づくりを進めてきましたが、来年度末までに合計で50万人分を整備します。
3年間のアベノミクスにより、国・地方合わせて税収は21兆円増えました。こうした成長の果実を、子育て支援など分配政策に、大胆に投入する。そのことによって、次なる成長につなげ、「成長と分配の好循環」を創りあげていきたいと考えています。
給付型の奨学金についても、来年度予算編成の中で実現するよう、具体的な検討を急ぐ考えであります。

総合的かつ大胆な経済対策

イギリスのEU離脱に関する国民投票、陰りが見える新興国経済。世界経済は、今、様々なリスクに直面しています。世界的な需要の低迷、成長の減速が懸念されています。
先般の伊勢志摩サミットでは、G7が、その強い危機感を共有し、こうしたリスクに立ち向かうため、全ての政策対応を行うことで合意しました。今月モンゴルで開かれたASEMでは、日本がリードして、その決意を、アジア・ヨーロッパの国々とも共有することができました。
世界経済の成長と、市場の安定のためには、国際協調を強めていかなければなりません。9月上旬に開かれる、G20サミットに向けて、更に議論を牽引してまいります。同時に、G7の議長国として、日本は、しっかりと自らの責任を果たしていきます。消費税率10%への引上げを2年半延期するとともに、あらゆる政策を総動員して、デフレからの脱出速度を最大限まで引き上げてまいります。
 
世界経済のリスクが、中小企業を始め、日本経済にマイナスの影響を及ぼすことがないよう、万全を期していく。今度の経済対策は、しっかりと内需を下支えし、そして景気の回復軌道を一層確かなものとするものでなければなりません。財政措置の規模で13兆円、事業規模で28兆円を上回る、総合的かつ大胆な経済対策を、来週取りまとめたいと考えています。
安倍総理講演の全文及び動画はこちらです。
首相官邸サイト「一億総活躍・地方創生全国大会in九州 安倍総理講演」(平成28年7月27日)
なお、この前日の7月26日、安倍総理は、総理大臣官邸で平成28年第13回経済財政諮問会議を開催しています。「中長期試算」、「『平成29年度予算の全体像』及び平成29年度概算要求基準」及び「経済財政諮問会議の今後の課題・取組」について議論が行われました。合わせてご確認ください。
首相官邸サイト「経済財政諮問会議」(平成28年7月26日)